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ベトナムの漢字表記とは?由来や地名一覧とチュノムの歴史

yama333

こんにちは。Go!Go!ベトナムジャーニー、運営者の「アオザイ」です。ベトナムって街中を歩いていても看板はアルファベットばかりで、漢字なんて全然見かけない国だなって思いませんか。でも、実はベトナムの歴史や地名の由来をたどっていくと、驚くほど漢字と深い関わりがあるんです。

ベトナムの漢字表記について調べていると、昔の人がどうやって言葉を残そうとしたのか、その歴史のドラマが見えてきて本当にワクワクします。ハノイやホーチミンといった有名な地名も、漢字の一覧にして見てみると「あ、そういう意味だったんだ」って納得できることがたくさんあるんですよね。現在のベトナムでは日常的に漢字を使うことは減ってしまいましたが、それでも名前の付け方や古いお寺など、文化の根っこにはしっかり残っています。

この記事では、ベトナムの国名がどうして越南と呼ばれるのかという由来から、独自の文字であるチュノムの歴史、そして主要な都市の漢字表記や読み方まで、私が現地で感じた空気感も交えながらたっぷりお話ししていきます。ベトナムの漢字表記に関する疑問がすっきり解けて、次にベトナムへ行くときやニュースを見るときに、ちょっと違った視点で楽しめるようになるはずですよ。

  • ベトナムの国名が越南と呼ばれる歴史的な由来
  • ハノイやホーチミンなど主要な地名の漢字一覧
  • 漢字からチュノムを経てアルファベットに至る歴史
  • 現代のベトナムにおける漢字の使われ方や文化

ベトナムの漢字表記の歴史と由来

ベトナムの漢字表記とは?由来や地名一覧とチュノムの歴史

ベトナムという国と漢字の関わりって、実はものすごく長くて深いんですよね。ここでは、ベトナムの漢字表記がどのように生まれ、そして変化していったのか、その歴史と由来についてじっくり紐解いていきたいと思います。ちょっと歴史の授業みたいになっちゃうかもしれませんが、これを知っているとベトナムの街歩きが何倍も楽しくなること間違いなしです。

国名である越南の由来とは

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ベトナムの正式名称は「ベトナム社会主義共和国」なんですが、これを漢字で書くと「越南社会主義共和国」になります。うん、ニュースとかで「越南」って見たことある人も多いんじゃないでしょうか。

なぜ「越」の「南」なのか

そもそも、なんで「越」の「南」なんでしょうか。これ、古代中国の歴史まで遡るんですよね。昔々、中国の南の方からベトナムの北部にかけて「百越」と呼ばれる多様な民族が住んでいた地域がありました。そこから派生して「南越国」という国ができたりして、この「越」という字がこの地域を指す言葉として定着していったんです。

ポイント:「越(Việt)」は民族や地域を、「南(Nam)」は南の方角を表しています。つまり「越南」は、越の南の国という意味合いが込められているんですね。

で、ですよ。19世紀に阮朝(グエン朝)という王朝ができたときに、当時の皇帝が中国の清に対して「南越」という国名を使いたいってお願いしたんです。でも、清の皇帝から「南越だと昔の広い領土を含んでるみたいでちょっと紛らわしいから、ひっくり返して越南にしなさい」って言われて、それで「越南」になったっていうエピソードがあるんです。なんか、上の人の鶴の一声で国名が変わっちゃうなんて、昔の外交ってダイナミックというか、ちょっと理不尽というか…面白いですよね。

ちなみに、この「越南」という漢字表記は、日本の外務省のデータなどでも歴史的背景として触れられることがあります。(出典:外務省『ベトナム社会主義共和国基礎データ』)こういう公的な記録にも残っているくらい、しっかりとしたルーツがある言葉なんです。

漢字からチュノムへの歴史的変化

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ベトナムは長い間、中国の支配下にあったり、独立してからも中国の文化や制度を強く影響を受けてきました。だから、昔は公的な文書や学問の世界では、ずーっと「漢文」が使われていたんです。

チュノムってどんな文字?

でも、漢文ってあくまで中国語の文法で書かれたものですよね。ベトナム人が普段しゃべっている話し言葉とは全然違うわけです。そこで「自分たちの話し言葉をなんとか文字で表せないかな?」と考えて生み出されたのが、「チュノム(字喃)」というベトナム独自の文字なんです。

ちょっと豆知識:チュノムは、漢字の部首を組み合わせたり、音を表す部分と意味を表す部分を合体させたりして作られました。日本の「万葉仮名」や「国字(峠とか働とか)」にちょっと似た発想かもしれませんね。

ただ、このチュノム、めちゃくちゃ画数が多くて複雑なんですよ。漢字を知っている教養のある人じゃないと読めないし書けない。だから、文学作品とかにはよく使われたんですけど、一般の庶民にまで広く普及するのはなかなか難しかったみたいです。私も博物館でチュノムの古い本を見たことがあるんですが、漢字のようで漢字じゃない、ゲシュタルト崩壊を起こしそうな不思議な文字がびっしり並んでいて、圧倒されちゃいました。

現代のベトナムで漢字は使うのか

ベトナムの漢字表記とは?由来や地名一覧とチュノムの歴史

じゃあ、今のベトナム人は漢字やチュノムを使っているの?って聞かれると、答えは「ほぼ使っていない」んです。

クオックグーの誕生と普及

17世紀頃に、ヨーロッパから来たカトリックの宣教師たちが、ベトナム語をアルファベットで書き表す方法を考案しました。これが「クオックグー(国語)」と呼ばれるローマ字表記の始まりです。ベトナム語って声調が6つもあるから、アルファベットの上にちょんちょんって記号(母音記号や声調記号)をつけて音を区別するようにしたんですね。

その後、フランスの植民地時代を経て、このクオックグーが教育や行政の場で一気に広まりました。漢字やチュノムを覚えるよりも、アルファベットのほうが圧倒的に覚えやすかったからです。その結果、近代以降のベトナムでは、漢字は日常的な実用文字としての役割を終えることになりました。

注意:現代の一般的なベトナム人は、特別な勉強をしていない限り漢字を読むことはできません。日本人が「筆談でいけるかな?」と思っても、今のベトナムではほとんど通じないので気をつけてくださいね。

日越や中越など省略される理由

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日本のニュースを見ていると、「日越首脳会談」とか「訪越」といった言葉をよく耳にしますよね。これはもちろん、ベトナムの漢字表記である「越南」の「越」を省略して使っているわけです。

日本独自の便利な略語

日本って、外国の名前を漢字一文字で表すのが好きじゃないですか。アメリカは「米」、イギリスは「英」、フランスは「仏」みたいに。ベトナムもその流れで「越」が使われています。新聞の見出しとかで文字数を節約するのに、すごく便利なんですよね。

ただ、ちょっとややこしいのが「中越」という言葉。日本の地理に詳しい人だと、「ん?新潟県の中越地方のこと?」って思っちゃうかもしれません。でも国際ニュースの文脈だと「中国とベトナム」という意味になります。昔あった中越戦争とか、中越国境地帯とか。文脈で判断しないといけないので、たまに頭がこんがらがっちゃうことがあります。

ベトナム人の名前に漢字はあるか

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現代のベトナム人はアルファベット(クオックグー)で名前を書いていますが、実はその名前のほとんどは、漢字に置き換えることができるんです。

漢越語という深い繋がり

ベトナム語の語彙の半分以上は、中国語に由来する「漢越語」だと言われています。日本でいう音読みの熟語みたいなものですね。だから、ベトナム人の名前も基本的に漢字の意味を持っています。

例えば、ベトナムで一番多い苗字の「グエン(Nguyễn)」さんは、漢字で書くと「阮」です。「チャン(Trần)」さんは「陳」、「レ(Lê)」さんは「黎」。名前の部分にも、「ミン(Minh=明)」とか「ホア(Hoa=花)」とか、素敵な意味を持つ漢字が当てられています。

以前、ベトナムの友人に「私の名前って漢字でどう書くの?」って聞かれたことがあって、一緒に辞書で調べたんです。自分の名前に込められた漢字の意味を知って、その友人はすごく喜んでくれました。文字としては使わなくなっても、名前の響きの中に漢字の文化がしっかり生きているんだなぁって、なんだか温かい気持ちになりました。

ベトナムの漢字表記がわかる地名一覧

ベトナムの漢字表記とは?由来や地名一覧とチュノムの歴史

さて、ここからは具体的な地名のお話です。ベトナムの主要な都市や観光地を漢字でどう書くのか、その表記と読み方を一覧にして整理してみましょう。漢字を見ると、その土地の歴史や地形の特徴がふっと浮かび上がってきて、ただのカタカナの地名が急に親しみやすいものに変わるから不思議です。

ハノイやホーチミンの漢字と読み

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まずはベトナムの二大都市、北の首都ハノイと南の経済都市ホーチミンから見ていきましょう。この二つは漢字表記の由来がとても対照的で面白いんですよ。

日本語表記 ベトナム語(クオックグー) 漢字表記(現地・漢越音) 由来や意味のメモ
ハノイ Hà Nội 河内 紅河(ホン川)の内側に位置することから。
ホーチミン市 Thành phố Hồ Chí Minh 城庯胡志明 建国の父ホー・チ・ミン(胡志明)の名に由来。
サイゴン(旧称) Sài Gòn 西貢(華文表記) ホーチミン市の旧称。今も愛着を持って呼ばれる。

首都ハノイの歴史的な背景

ハノイは漢字で書くと「河内」です。日本の大阪にも河内(かわち)ってありますけど、読み方は「ハノイ」です。これは、街のすぐそばを流れる大きな川「紅河(ホン川)」の内側に街が発展したから、という地形そのまんまのネーミングなんですね。ちなみにハノイの昔の名前は「昇龍(タンロン)」。龍が空に昇っていくという、めちゃくちゃかっこいい名前だった時期もあるんですよ。

ホーチミン市の旧称と現在

一方のホーチミン市は、漢字で「胡志明」と書きます。これは地名というより、ベトナムの独立指導者であるホー・チ・ミンおじさんの名前をそのまま市の名前に冠したものです。1975年のベトナム戦争終結後に、旧称の「サイゴン」から改称されました。

でも、現地の人とお酒を飲んだりして雑談していると、今でも普通に「サイゴン」って呼ぶ人が多いんですよね。サイゴンビールとかサイゴン川とか、名残もたくさんありますし。サイゴンは中国語圏では「西貢」と表記されます。なんか西の貢ぎ物って書くと、ちょっとエキゾチックな響きがしませんか?

ダナンやホイアンなど中部の都市

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ベトナム中部は、歴史的な建造物や美しいビーチがあって、最近日本人にも大人気のエリアです。ここの地名も漢字で書くと風情があるんです。

ホイアンの古い街並みと漢字

ランタン祭りで有名な世界遺産の街ホイアンは、漢字で「會安(会安)」と書きます。昔、日本や中国、ヨーロッパの商人たちが集まって交易をした港町なので、人々が「会って」「安らぐ」場所、なんて意味合いを感じてしまいます。

ホイアンの旧市街を歩いていると、黄色い壁の古い家々の入り口に、漢字で書かれた看板や対句がたくさん残っているんです。「あ、ここは昔、中国の商人たちが集まっていた会館だな」とか、漢字が読める日本人だからこそダイレクトに歴史を感じられる瞬間があって、ちょっと得した気分になります。

リゾート地として発展しているダナンは「峴港(けんこう)」、古都フエは「順化(じゅんか)」といった漢字が当てられています。特にフエの王宮に行くと、門のところにドーンと漢字が掲げられていて、阮朝時代の威厳を感じることができますよ。

サパなど北部地域の表記の揺れ

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ベトナム北部の山岳地帯に行くと、ちょっと漢字表記に揺れが出てきたりして、それがまた面白いんです。

中国国境ならではの事情

棚田の絶景で有名なサパは、漢字で「沙巴」と書かれたり「沙壩」と書かれたりします。また、中国との国境の街ラオカイは「老街」という表記が一般的です。

このあたりは中国と陸続きで昔から交流が盛んなので、ベトナム側の漢越音に基づく表記と、中国側から見た華文(中国語)としての表記が混ざり合っていることが多いんです。「どっちが正解?」って悩むこともあるんですが、歴史の中でいろんな文化が交差点になってきた証拠だと思えば、その曖昧さも魅力の一つかなって思います。

メコン河など自然の景勝地の漢字

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都市だけじゃなくて、川や山などの自然の景勝地にも、かっこいい漢字表記があります。

ハロン湾に伝わる龍の伝説

世界遺産のハロン湾。大小さまざまな奇岩が海から突き出している神秘的な景色ですが、漢字で書くと「下龍湾」となります。ハ(Hạ)が「下りる」、ロン(Long)が「龍」です。

伝説のお話:昔、外敵が攻めてきたときに、神様が遣わした龍の親子が空から舞い降りてきて、口から吐き出した宝石が次々と島になって敵の船を打ち砕いた、という伝説があるんです。

下龍湾って字面を見るだけで、その壮大な伝説のシーンが目に浮かんでくるようですよね。ちなみに、ハノイの旧称「昇龍」と対になっているのも、歴史のロマンを感じさせます。

南部の広大なメコン河は「湄公河」、ハノイを流れるホン川は「紅河」。川の水が赤茶色に濁っているから紅河なんですけど、これも漢字で見ると情景がスッと入ってきます。

寺院や旧正月に残る文化的な側面

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普段の生活からは漢字が消えてしまったベトナムですが、一年に一度、漢字が主役に躍り出る時期があります。それが「テト(旧正月)」です。

テトの時期に現れるオン・ドー

テトが近づくと、街角や文化施設の周りに「オン・ドー(Ông Đồ)」と呼ばれる書家のおじいさん(最近は若い人もいます!)たちがズラリと並びます。彼らは赤い紙に、墨や金色の塗料で美しい文字を書いてくれるんです。

書いてもらう文字は、ベトナム語のアルファベットを漢字の書道風にアレンジしたものも多いんですが、伝統的に「福」「禄」「寿」「心」「忍」といった漢字そのものをリクエストする人もたくさんいます。新しい一年の願いを漢字一文字に込めて家に飾る風習は、今も色濃く残っているんですよね。

お寺の扁額に見る昔の面影

それから、ベトナムの伝統的なお寺(チュア)や神社(デン)に行くと、門の上の扁額や柱の対句には、立派な漢字やチュノムが彫られています。お祈りに来ている地元の人たちはおそらくその漢字を正確には読めていないと思うんですが、それでもその文字が放つ神聖なオーラみたいなものは、しっかり受け継がれている気がします。

私もハノイの文廟(孔子を祀る廟)に行ったとき、科挙の合格者の名前が刻まれた亀の石碑を見て、「あぁ、ここで昔の若者たちは必死に漢文を勉強していたんだな」って、ちょっと胸が熱くなりました。

ベトナムの漢字表記に関するまとめ

ベトナムの漢字表記とは?由来や地名一覧とチュノムの歴史

さて、ここまでベトナムの漢字表記について、歴史から地名、文化までいろいろとお話ししてきました。いかがだったでしょうか。

現代のベトナムではクオックグーというアルファベット表記が完全に定着していて、看板や公文書から漢字を見ることはほとんどなくなりました。でも、国名「越南」の由来や、ハノイ(河内)、ホーチミン(胡志明)といった地名の裏側、そして人名の響きの中には、間違いなく漢字文化のDNAが息づいています。

言葉って、ただのコミュニケーションの道具じゃなくて、その国の人たちがどう生きてきたかという歴史そのものなんですよね。漢字からチュノムを作り出し、そして最終的にアルファベットを受け入れて独自の進化を遂げたベトナム。そのしなやかさや逞しさが、私はすごく好きです。

次にベトナム旅行に行くときや、ベトナム料理屋さんでメニューを見るとき、あるいはニュースでベトナムの話題に触れたとき。この記事で紹介したベトナムの漢字表記に関する知識をちょっとだけ思い出してみてください。「あ、この地名、漢字だとこういう意味だったな」って気づく瞬間があると、ベトナムという国がぐっと身近に感じられるはずですよ。それでは、また次の記事でお会いしましょう!

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アオザイで旅する感性派ライター
「Go!Go!ベトナムジャーニー」の運営者。ガイドブックには載っていないような、五感で感じるベトナムの魅力を発信しています。おしゃれなカフェから、地元民しか知らないディープなスポットまで、等身大の目線で旅の楽しさを伝えます。彼女のブログを読めば、まるで一緒に旅をしているような気分になれるはず。
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